2019年を迎えて

新しい年を迎えました。
特にこれといった成果を発表することができぬまま、また一年が経過してしまいました。
これまで、「きわめてゆっくりとではあるものの、このプロジェクトは進行中」とご報告して参りました。しかし、昨年後半から、少し事情(および心境)が変わりまして、主に二つの理由により今このプロジェクトは完全に停止しております。

プロジェクト停止の理由の一つ目は、私自身の中で、このプロジェクトよりも先に進めたいことが出来たということがあります。先に進めたいこととは、「照明デザインについてのこれまでの自分の考えをまとめて論述した文章を作成する」という計画です。

理由の二つ目は、このプロジェクトの進行よりもはるかに速いペースで、他のメーカーによるPC-DMXインターフェースが発展しているという事実です。DoctorMX以外のUSB-DMXインターフェースボックスもいくつか発表され、ソフトウェア面も含め、その進展は目を見張るものがあります。そういった中、実用性(特に入出力のレンポンス速度)において、現在のD-Conの技術は大きく遅れをとっており、とても他のメーカーに太刀打ちできるレベルではありません。

それとともに、D-Con CF や D-Con SUB がモデルにしたような「3段プリセット卓」「プリセット付きサブマスター卓」といった種類の調光卓を「扱った経験が無い」「必要性を感じない」というような照明家が多数出現する時代となり、このD-Con Projectの意義自体も問われる状況になっているということが感じられます。

このD-Con Projectを今後進めるとしたら、その目的を少し変更して、たとえばアマチュアや教育機関向けのシミュレーションソフトとして位置付けるなど、コンセプト全体を考え直す必要があると感じ始めております。

そういった次第で、しばらくこのプロジェクトは停止した状態が今後も続くかと思います。ご期待くださっている皆様には大変申し訳ありません。

皆様からのご意見やご助言など、何かございましたら、どうぞお気軽にお寄せください。

どうぞよろしくお願いします。

D-Con Project ディレクター
岩城 保